2008.07.18 (Fri)

少年社中 第20回公演「アルケミスト」

200807 中野・ザ・ポケット 作・演出:毛利亘宏

 羊飼い(堀池直毅)は夢を見た。
 祭壇の前に無花果の木を生やす、朽ち果てた教会。その固い床に横たわり、羊たちと共に寝入った羊飼いは夢を見た。
「アンダルシアの野を越え海を渡り、砂漠を越えたピラミッドの下に眠る宝を手に入れる。そうして僕はお金持ちになる    
 繰り返す夢を夢と諦めようとした時、羊飼いはジプシーの占い師に出会う。
「その夢は本当」
 見つける宝の三分の一を対価に得た夢解釈。それでも野原に居続ける羊飼いは、ふいに青年(林修司)と行き会う。
「なぜ、夢を信じない?」
 信じられるわけがない、と答える羊飼いに青年は言う。「信じなければ、夢は夢のままだ」夢を信じなければ、もう会うこともない。去りゆく青年の名を、羊飼いは問い、青年は名乗った。
「アルケミスト。……錬金術という意味だ」
 羊飼いは思い出す。羊飼いになると決めた日のことを思い出す。
「僕は、旅に出たかった!」
 そして羊飼いは羊を売り払い、その代金をもって旅に出る。夢見た夢を信じ、青年サンチャゴは旅に出る。アンダルシアを後にしてアラビアへ向かう船に乗る。
「決心はついたかい?」
 その船には彼も、アルケミストも乗っていた    
 

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2008.07.17 (Thu)

箱庭円舞曲 第十一楽章「恋人ができないが、もういい」

200807 OFF・OFFシアター 脚本・演出:古川貴義

 個人経営の広告代理店がある。
 仕事は旅行代理店のパンフレット、昔の誼の結婚相談所。ライターのサカタを中心に、立ち上げメンバーでありつつどこか軽んじられるフゴウダ、バイト君、受注している大きな代理店仕事への憧れを憚ることなく口にするアキ、そしてその代理店への転職を突如として明かしたトモ。
 転職話に揺れる中、転職に関わる大きな代理店社員ヤナイがやって来る。元はこの事務所の立ち上げメンバーで、サカタの元恋人でもあったヤナイ。彼は所謂「お役所仕事」を持ってきたのだ……。

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2008.07.12 (Sat)

劇団☆新感線RX「五右衛門ロック」

200807 新宿コマ劇場 作:中島かずき、演出:いのうえひでのり

 寝更ける城中、太閤の寝屋。忍びこんだ盗賊・石川五右衛門(古田新太)は下手を打つ。
 執念で追う京都所司代捕方・岩倉(江口洋介)の手は逃れたものの、見知らぬ親子の人質に捕縛釜ゆでご臨終。
「浜の真砂は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ!」

  
 (えーと、公式と同程度のネタバレは続きます〜)

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2008.07.06 (Sun)

劇団一跡二跳「流れる庭 −あるいは方舟−」

200807 THEATER/TOPS 作・演出 古城十忍


 雨が降り続いている。
 その街には川がある。街の中心を流れる三宮川、そこへそそぎこむ2本の支流。
 今まで、三宮川が氾濫したことはない。どんなに大きな台風が来たときも。

 川沿いに建つ市役所に、災害警戒本部は設置されている。
 構成するのは4人。刻々送られてくる情報を分析する本部長と、職員3人。
 提示される数字は数時間後、三宮川の水位が危険水域を突破して堤防を超えるかも知れないと予測する。避難勧告を、避難指示を出すべきなのか? それはいつ? 超えない可能性はないのか?
 増し続ける雨量は予測を変えていく。今、こうして数字を見ている間にも雨は降り、危険は高まっていく。
「危険を示す数字を信じてください」「信じるべきは数字なのか?」

 川沿いに建つ市役所に、記者クラブは設置されている。
 遠い異国の死を訴える記事を書く地元紙記者ひとり、災害の『ニュース化』を見込んで待機する大手新聞記者ひとり。
 雨量の増加を『ニュース』にすべく見守る彼らが待つのは、災害対策本部の決断、もしくは川の氾濫による混乱。避難は行なわれるのか、それともやはり後手に回るのか。報道すべきは悲劇か美談か、糾弾か共感か。異国の死か、地元の被害か。

「台風23号の時、氾濫した水に呑まれそうになったバスを覚えているか?」

 危急の目にあって、しかし全員が助かった。だからこそ、成されなかったことがある。生かされなかったことがある。報道は何をすれば最善だったのか。訴えるべきは何だったのか。
 誰しもが、それはどこかの誰かの身に起こることだと安心している。いつかどこかで誰かが今も、そのバスに乗り続けているというのに。
「高田さんって、……思ったよりイヤなひとですね」

      雨が降り続いている。
  

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2007.07.28 (Sat)

箱庭円舞曲focus#1 「箱」

200707、渋谷 Gallery LE DECO


*概要*
 そのビルには不動産業者の事務所があり、倉庫があり、音楽スタジオがある。
 スタジオオーナーが気ままに出入りする不動産業者の事務所では、庶務課の檜山係長が派遣社員を雇っていた。けれど檜山は派遣社員に仕事を与えず、自分の仕事を優先させている。檜山の仕事は社員が持ってくる様々な物事をこなすこと。。。書類を数える、ホチキスを留める、シールを貼る、単語をただ繰り返す、作ったけど食べる時間のないインスタント食品を食べる。。。それらを同時に始め、同時に行う檜山を、派遣社員は眺めている。眺めているのが、当面の彼女の仕事だったから。
 倉庫ではこのビルの関係者らしきエノキモトがアルバイトを雇っている。彼女がエノキモトに雇われるのは初めてではない。初めてではなかったが、いつも訳の分からない仕事を命じられる。今度の仕事は彼の箱を預かること。開けてはいけない、その箱。
 音楽スタジオでは、ギターとドラム担当の男二人にボーカル担当の女がいる。女はバンドを抜けたがり、リーダーを自認するドラマーがそれを引き留める。




  詳しくは公式ページをどうぞ・・・ 箱庭円舞曲

 

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2007.02.19 (Mon)

箱庭円舞曲「大人なのにバカ」

200702 サンモールスタジオ


*あらすじ*
 地方都市の予備校がある。講師たちがいて、勉強する生徒たちがいる。
 教務に新しくチューターとして就職してきた井多は、かつて、この予備校で学んだ生徒だった。当時の講師はほとんど残っていないし、教えてもらった講師は井多を覚えていなかった。
 立場を変えて同じ場所に居ること、以前生徒だった時分を思い出して感じる違和感。自分の受験時に親身になってくれていた筈の教務課の上司は、人が違ったように「生徒と距離を置いて、バランス良くね」などと言ってくる。尊敬さえしていた過去と、同じ側に立っての現実と。
 何かが違う、何かがずれてる。そう感じながらも井多は生徒と接し、そして正念場、受験の季節がやって来る…。

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2007.02.18 (Sun)

少年社中 「チャンドラ・ワークス」

200702 中野ザ・ポケット

 その国と隣国とは長い長い、あまりに長い戦争をしているので、遂に“本当の戦争”をするのを止めてしまった。国民の生活は貧しくて、戦争は終わりがなくて。今では兵士はおもちゃの銃を持ち、ラジコン飛行機が空中戦を繰り広げる。
 そんな時代に生まれたサンサーラ(堀池直毅)は“本当の飛行機”のパイロットになる夢を抱いてしまった。飛行機に乗るためには軍人になるしかない。そしてサンサーラは、遂にそのチャンスをつかむ。偵察機開発の競合、そのテストパイロットに抜擢されたのだ。
 意気揚々とその工房“チャドラ・ワークス”を訪ねたサンサーラは呆然とする。折しも工房は古株工員ドゥビィ(山川ありそ)の結婚式のまっただ中、浮かれ騒ぐ工員たち、評判とは違ってつかみ所のない工房主・この国の王子チャンドラ(井俣太良)。
 限りなく牧歌的な工房に一人きりきり舞いするサンサーラに、チャンドラは偵察機の開発を中止すると言い放つ「宇宙へ行きたくないか?」チャンドラは希望のないこの国を幸福にするためには宇宙へ行くことが必要だと言うのだ。それぞれの分野で類い希な技術を持ちつ工員たちも協力し、サンサーラも同意。
 そして宇宙へ行く飛行機が完成する…。
 
 

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2007.01.23 (Tue)

劇団☆新感線 「朧の森に棲む鬼」

200701 松竹・新橋演舞場

 いつとも知れない時代、どことも知らない地。争うエイアン国とオーエ国の戦場で、故郷を飛び出し落ち武者狩りに明け暮れる二人、口先が巧いライ(市川染五郎)と、腕は立つが頭は回らない弟分のキンタ(阿部サダヲ)は朧の森に流れ着く。
 古代の神が棲むという言い伝えに怯えるキンタがふいに眠りこんだ時、ライは森からの声を聞く…「契約を成そう、さすれば扉が開かれる」……それは森に棲む朧たちの声だった。朧たちは国を捕りたいというライの野心を見抜き、その魂を代償に運命を授けようと言う。
 初めは怪しむライだったがその誘いに乗ることにする「但し、俺が俺を殺す時だけ魂をくれてやる」と条件を付けて。朧たちはライの野心の達成には「我らと同じ顔の」3人の女が関わること、そしてライの舌が巧く回るうちはけして敗北しない剣を与え「この森にやって来た男を殺せ。そしてその男に成りすませ」と言い残して消えていく。
 呆然とするライだったが、果たして森に一人の武者がやって来た。武者は「見られたからには殺さねばなるぬ」と斬りかかって来るが、キンタと剣に操られるライは、怪我を負いながらも反対に斬り殺す。武者の身元を改めると、エイアン国にその人ありと謳われる四天王一の将軍ヤスマサだった。時を置かずして山の民、オーエ国を率いるシュテン(真木よう子)の一団に取り囲まれる二人。ヤスマサ将軍はシュテンと通じ、エイアン国を売ろうとしていたのだ。
 シュテンを一人目の女と見、ヤスマサの所持品から裏切りを見抜いたライは、とっさにヤスマサになりすまし「エイアン国に戻り、内部からオーエに有利に働く」と言って納得させる。その言葉にシュテンは「互いの血を混ぜ、義兄弟の契りを交わしたい」と木彫りの人形を取り出し、ライの血を重ねさせた。首尾良く自由と、内応の報酬を受け取ったライとキンタはシュテンらと別れ、エイアン国の都ラジョウへ向かった。

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