2008.07.22 (Tue)
「賢者のプロペラ」(2000) 平沢進氏、8枚目のソロアルバム
曲目リスト
01.賢者のプロペラ-1
02.ルベド(赤化)
03.ニグレド(黒化)
04.アルベド(白化)
05.円積法
06.課題が見出される庭園
07.達人の山
08.作業(愚者の薔薇園)
09.ロタティオン(LOTUS-2)
10.賢者のプロペラ-2
→ 赤字クリックで平沢進氏配信サイト「World Cell」が開きます。
TOP右カラム、「MP3」をクリックすると視聴・MP3購入ができます。
平沢進氏、46歳頃に制作されたアルバム。
2008年7月19日(土)初視聴。私にとって9枚目のソロ・アルバム。
これもまた、多重音流な、響きのアルバムだった。
6枚目ソロアルバム「SIREN」(1996)を先に聴いてて良かったと思った(笑)が、私に作用する吸引力がより強い気がする。
要はですね、好きってことですよ(^_^) 数回聴いただけで、ほろほろと気持ちに染みる。
01.賢者のプロペラ-1
流れる主旋律に太鼓がオーケストラっぽい。入りこむ短い「ぺぺぺ」の高音リズムが可愛らしく、そこに悠々と語り出す情景。ファルセットが歌う情景だけが切り離されてスローに展開。問いかける副歌詞は、まるで広大な大地を崖の上から見下ろし滑空する鳥の視点。
02.ルベド(赤化)
ライブCD「PHONON2550LIVE」で初聴き。ライブ用のアレンジはされていなかったようだ。
色を呼ぶ声が突き抜けて、伸びて伸びていく。歌詞が揺れて連なり語る情景がひたすらに美しい。振り落ちるような旋律の並び、サビの頭に入る「ちてどど」って入るドラムが好き。雨だれがガラスを打つようなピンカ音が可愛い。
03.ニグレド(黒化)
冒頭のきらきら音は、
04.アルベド(白化)
03を継承する、インストゥメタル。ピアノ、というよりまるでチェンバロのように響かせた音が静かに、訴えるように、語るように。旋律が一瞬上がるのが、切ない。
05.円積法
一転して、太鼓の響きをまとったファルセットコーラスがダークな気配。短い幅で振られる特徴的な音階。主旋律を語るコーラスは、蠢く情景をただ見下ろすような離れた響き。揺れる揺れる、戻る戻る、心地よさ。ダークなコーラスはあっさり終わる。
06.課題が見出される庭園
ラッパ音(?)に絡んだオープニングは、コーラスの多重世界。滔々流れる「いいい」高音のコーラスに、どうと太鼓が響く。遠く雷鳴、振る雨の音。かすれるような旋律をリズムが刻み、多重の旋律をサンプリングされたコーラスが飛び跳ねる。
07.達人の山
ピコピコの底流を流れる低い響きの重ね、そこに流れ込む巻き取るようなノイズを伴うリズム。一拍遅れて始まる主旋律に、リズムはまるで噛みつくよう。薄曇りの向こうの主歌詞、高音を漂うサビの副歌詞。この伸びが突き刺さって、泣ける。初めてはっきり聞くギターの間奏。高音から落ちてくるのが、揺らめいてぎりぎゅいっと上がっていくのが、格好良すぎる!
08.作業(愚者の薔薇園)
どこまでも昇っていく音階に、絡む彼方のコーラス。静かに囁く声を追いかける揺れるリズム。続く高音は一音ごとにめくるめき、歌い表す情景は可愛らしい。放られるように上がっていく最後の歌声が、さらに可愛い。
09.ロタティオン(LOTUS-2)
映画「千年女優」の主題歌(未見)。何度か耳にした有名曲。
なぜるハープの美しさを皮切りに、響くチュープラーヘルツ(自作楽器)と、追いかけ消え現れるノイズめいた音。歯切れが良い。遠くで響くハープの音が旋律の要所を支える。明確な歌声の勢いが美しい。震えるような高音の伸びが美しいったら、美しい。
10.賢者のプロペラ-2
空耳を誘う経文を読むような声に、空を切る回転音。04に良く似た(同じ?)旋律がゆったりと入り、その穏やかさのままに流れる声。情景を語る声はやがて二声となって静かに静かに語りかけ、耳を澄まさせるように。
全体を満たす空気は01に代表されるような、伸びやかで広がりを感じさせる普遍的な響き(オーケストラ? オペラ? 賛美歌? 歌謡曲?な連綿と続く音楽的なもの)。多用される低音の男性コーラスの揺らめきが民族的なイメージを喚起し、かなり強めに表だってのテクノリズム。
アルバムの流れとしては、02と09だけが曲世界観を異にして明確な存在を示す(それとも別口で聴きすぎて馴染んでいる?)が、それも歌詞としてみれば同一世界観であることは確か。
テーマは『錬金術』。
自らの『黄金』を取り出すための、代替錬金術としての音楽というもの。
特にどれ、と挙げるなら、泣きが入った(苦笑)03と07、耳にこびりついて離れない05、08。でも好きな、で挙げれば全曲になる(笑)本当に「SIREN」を先に聴いて、多重のシンセ音を聞き慣れてて良かったと思った。でなきゃまた、相当戸惑っていたことだろう。
「SIREN」を聴いた時に「Sim City」から何かを引っこ抜いて、何か別なものが挿入された、と思った。「Sim City」よりも、むしろアジアっぽいと思ったのだ。
今回は、その「SIREN」でシンセ多重が多く用いられたように、東南アジアを思わせる声のコーラスが多用されている。「Sim City」の「SIREN」の色とは、別の民族色。
曲のオープニングに割とテクノなリズムが目立ち、そこへ普遍的な響き(前述)が挿入される曲構成が特徴的。各曲ごとの世界観は似ているが「SIREN」に感じたような統一感はない。
「SIREN」はひと連なっているように思えたけれど、今度は何かを中心に囲んでいるような感じ。それこそがコンセプトである『錬金術』なのかもしれない。
通常は「Sim City」(1995)、「SIREN」(1996)、「救済の技法」(1998)の3作品をタイの色濃い三部作、と位置づけるようだけれど、順番狂って聴いている私にとっては、シンセとコーラスの多重が強いこともあって、「SIREN」に直に繋がっているような音世界な気がした。
逆に言えば「救済の技法」にはその色を感じないのだな(確認のためにかけたら聴き入ってしまった…)。むしろ「救済の技法」は「白虎野」(2006)と世界が近い気がする(確認のためにかけたら 以下略)。シンセ多重の多い少ない、がその感情の元なんだろうけども。
そーなると、次の「BLUE LIMBO」(2003)はどういう位置付けになるのだろう……?
なんにせよ、これで曲ごとに無心に聴ける(笑
とゆーかだね、最初から無心に聴いて、それだけでいいはずなのにね(=_=ゞ
どういう風に聞こえるか、よりも、どういう風に感じるか、な筈なのに。とにかく分解して、書かずにはいられない記録マニアの自分が恨めしい瞬間(苦笑
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2008.06.08 (Sun)
「SIREN セイレーン」 (1996) 平沢進氏、6枚目のソロアルバム レビュー
曲目リスト
01. 電光浴-1
02. サイレン*SIREN*
03. On Line Malaysia
04. SIREN*セイレーン*
05. Nurse Cafe
06. Holy Delay
07. Gemini
08. Day Scanner
09. Siam Lights
10. 電光浴-2
11. Marmaid Song
平沢進氏、42歳頃に制作されたアルバム。
2008年6月7日(土)初視聴。私にとって8枚目のソロ・アルバム。
私にとっては、かなり衝撃的、と言っていいほどに趣が違うアルバムだった。
ここまで明確的に統一された音世界は、閉じていると感じた「Sim City」とも違う。そつがない。まったく無駄のない、全体曲。
まさにオープニングの感が強い01「電光浴-1」は1分少しのミニ曲。伸びやかな高い歌声がゆうらりと漂い、サイレンの向こうに消えていく。
このサイレンを継ぐのが02「サイレン*SIREN*」。ノイズが刻み、積み重ねるメロディの間隙を埋めるようにタイトルが繰り返される。ざらつくパーカッションは、しかし意外にも静けさを渡るように声を乗せていく。
03「オン・ライン・マレーシア」はぐっと民族調が、明らかに強くなる。特にメロディを構成するコーラス部分。そこへかぶる一律的に高音域の歌声は歌詞も相まって急かすよう。激しくはないサビは切羽詰まって格好いい。
この民族的な流れは以降、受け継がれる。
04「SIREN*セイレーン*」はゆったりとしたメロディを、強いリズムドラムが支える。タイトルコールは突き抜けて。
05「ナース・カフェ」は圧倒の勢いから入る。歌い方が特徴的な低音と、歌詞の破裂的勢いのためかメロディは籠もりがち。06「ホリー・ディレイ」は声をというよりも音自体を聴かせようとしているような、まるで遠くで鳴るサイレンのように声が響く。
そこへ来ての07「ジェミニ」は一転、とてもビジュアル的なオープニング。語りの歌声は夢見るように高まって、けれどそのまま夢の始まる前に戻るような、優しい繰り返し。08「デイ・スキャナー」はまたしてもコーラスが特徴的で、リズムが強い。あまりに太いメロディの中に声が埋もれて、結果的に平坦に聞こえる。続く09「シャム・ライツ」は、ゆうるり振り返るように、空洞を漂うような歌声。
オープニングがあれば、クローズもある。ということで、ミニ曲の10「電光浴-2」に伸びやかさは健在。本当のクローズは11「マーメイド・ソング」。囁くような歌声は旋律に埋もれて拡散し、そのまま流れていってしまった。
これはどうしたことだ私、と密かに慌てた一巡目。どうも(超個人的な例えで言えば、流れて進んだ演劇舞台を見た時と同じで)波立ちが少ない。
近日の自身の心持ちが影響していることは間違いないだろう。危惧はなくはなかったし。うわ、なんとアルバムに不遇な扱いをっ(苦笑
そう思いつつ、聴き返してわかったのは、今までの7枚とは何か違うぞということと、ヘッドホンでなく、オープンで聴くべきだということだけ。
「Sim City」の跡を継ぎつつ、別の何かが挿入された印象を受けた。その正体が現時点ではわからないのがもどかしい。
平沢進氏は1994年頃からタイの影響を受けていると聞く。それが現れたのが前作「Sim City」だと私は思っていたけれど、むしろ表出したのは此方なのだろうか。
圧倒的にメロディの存在感が強いために、声は埋もれがち。しかし一定の基盤に沿った音階、歌い方は統一感を強めてもいる。それがアジア的と言えるかどうかは、また別の話。そもアジアっぽいとはどういうことだろう。でも、ぽいんだよな〜。
「サイエンスの幽霊」を聞いた時、そのアルバム途中のスタイルの変化を奇抜と思った。その戸惑いと、今回の戸惑いは桁違いだ。
「サイエンス」での戸惑いは、例えるなら、走っているレールの色が途中で変わったようなもの。しかしこれは、同じだと思って走り始めたら、まったく違うレールだったのだ。今まで私が感じてた思想と、まったく違う思想の上に敷かれたレール。
それでもやはり、戸惑いを超えて聴けばじわじわと染みこみつつある曲たちだ。
うんうん唸って文章にしようとすると、ぐだぐだ言ってるが、断じて否定的ではないのだ。
断じて!←ここ強調!(笑) 実際今も、他曲より聴きたくてたまらんし(^_^
01・10ふたつの「電光浴」のまどろむ美しさ、02「サイレン*SIREN*」の静かの響き、03「オン・ライン・マレーシア」は畳み込んで格好良く、04「SIREN*セイレーン*」の朗々、05「ナース・カフェ」は駆け抜けて、ふわりと浮かぶ06「ホリー・ディレイ」、07「ジェミニ」の永遠の優しさ、08「デイ・スキャナー」の混沌の突き放し、09「シャム・ライツ」はたゆとい、11「マーメイド・ソング」は雄大な歌姫を。
例えば「サイエンス」や「ヴァーチュアル・ラビット」がベクトルの違う曲をバランス良く組んだものだとすれば、これは似た曲を真っ直ぐに紡いだ糸のようだ。全編通した澄んだ高音域の歌声は伸びやかに突き抜けて美しく、拡散していく。
次のアルバムは2年後の「救済の技法」(1998)。そこには、今回見られたアジア的な景色は鳴りを潜め、むしろ「白虎野」(2006)にある端正さに近い気がしている。この間に何があり、また何がなかったのか、新参者には興味深い。と、いってみたりして(笑
とにかく、びっくりした〜(*_*
[2008/06/15追記
一週間聞き込み、印象も変わったようです。当時の違和は薄れ「Sim City」との違いも思えるようになりました。何か、はまだ判りませんけども。にしても何故に私はこんなに違和違和と言ってたのか(情)まるで同じ傾向、とは今も思ってませんが、まったく違う訳ではない(当たり前だ)聴く時の心情には気を付けなければ…!]
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2008.05.18 (Sun)
「ヴァーチュアル・ラビット」(1991)平沢進氏、3枚目のソロアルバム レビュー
曲目リスト
01. 嵐の海
02. バンディリア旅行団
03. 我が心の鷲よ 月を奪うな(プラネット・イーグル)
04. ヴァーチュアル・ラビット
05. UNDOをどうぞ
06. 山頂晴れて
07. 静かの海
08. 死のない男
09. 太陽の木
10. ロシアン・トビスコープ
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全曲視聴できます。
平沢進氏、37歳頃に制作されたアルバム。
2008年5月18日(日)初視聴。私にとって7枚目のソロ・アルバム。
これもまた癖が強いアルバム。
前作「サイエンスの幽霊」を聴いた直後の戸惑いを乗り越えてから聴くと、しかしまた、この癖が癖になりそうな予感がひしひしとする(笑
ライブCD「PHONON2550LIVE」で初聴きが2曲、01と08。それが前提の聴き始め。
ということで、01「嵐の海」の明るく清々しくも伸びていく高音。破裂する(破綻ではなく、一気に広がるような)美しさにうっとり。
間を置かずに遠くから、02「パンディリア旅行団」が響いてくる。郷愁っぽいかすれ音から始まる音に、力強く重なる声。たゆとう歌(メロディや歌詞、部分部分ではなくて一体化しての歌)が、とても美しい。これ1巡目と2巡目、そして4巡目、涙ぐみポイント変化。つか涙ぐんだのか、と自己ツッコみ。しかもばらしてどうする気だ(笑
一転する03「我が心の鷲よ 月を奪うな(プラネット・イーグル)」は、まったりとしたモノクローム。まるで無声映画のようなイメージ。パーカッション(?)の音が面白く使われた、言葉遊び的な曲と思っていたら終局に変調。えー。いっそ、…イヤイヤ(笑
再び一転04「ヴァーチュアル・ラビット」は、オープニングにぶよぶよギター。なんだか今まで聴いた平沢進氏の旋律エッセンスがぎゅっと詰まってる感じ。同じ言葉遊びにしても、こちらは徹底的に陽気。かけ声の強い勢いそのままに、ただ楽しい。
05「UNDOをどうぞ」は、なんだか牧歌的な旋律とゆったりしたリズム、と思いきや、またもや「QUIT」で登場のおじさん声とアミーガの共演。前よりも語る台詞。そこになんとも気持ちのいいコーラスがかかる。話してる内容も含め、全体に事実的な提示の情景を読みとっちゃってる私はいかがなものか。
またもや一転。06「山頂晴れて」には楽しい勇ましさ。間奏の広がりからタイトルコールに至り、繰り返される旋律がわくわくする。曲調のベースは02に似ていて、プラス鼓舞する気配を乗せた感じ。
07「静かの海」は、緩やかに、ユーモラスに揺れて始まり、なめらかに流れる。うろうろするハープの音をポイントに、アコースティックギターのテンポが可愛いらしくて、ここに絡む04さえも可愛らしさを増すばかり。
と、思いきや、08「死のない男」では激しく揺れる硬質なパーカッション。古いラジオを通したような声、オープニングの歌詞からして大好き。この不協和ちっくに渦巻く音階の協調が、本当に格好いい。
続く09「太陽の木」は、はっきり異質。金属的な、遠くで響く音。そこにかぶさる刻まれた高音と、ゆるやかな太い音。壮大だけれども不安げな雰囲気に、囁く声は気怠いように。深遠。深淵。中盤はめくるめき、再び目線は離れていく。一貫して、まるで歴史を俯瞰するように。
またもテンポの良い10「ロシアン・トビスコープ」。きらきらした音で始まる、まったく別の世界。挿入される地の声が、だんだん怒ってくるのは気のせいか(笑)タイトルコールの繰り返しに終わるのは、むしろ可愛らしくて置いてけぼりを喰らう。歌詞は童話のような滑稽さを歌う。
曲調、雰囲気、様々な構成は、揺れ揺れる。
正当的・普通的(?)にかっこいい01、なんとも美しい02、後から思えばインターバル?な、いやいや、ほのぼのと見せかけてニヤリを呼ばれた03。
「サイエンスの幽霊」終盤の勢いを持ち込んだかのように楽しく取り込まれる04を通過して、05でまたもや戸惑いつつ、意外な晴れ晴れしさを感じながら06へ。
06の立ち位置も04に近く「戻ってきなさい」と言わんばかりの清々しい勇ましさ。続く07にまんまと気分良く溺れていると、08で再び叩き起こされ、09で襟を正される。そうしての10では、やっぱりニヤリを呼ばれる。
結局、手の平の上でごろごろしてるだけのような(^_^;
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2008.05.06 (Tue)
「サイエンスの幽霊」(1990)平沢進氏、2枚目のソロアルバム レビュー
曲目リスト
01. 世界タービン
02. ロケット
03. フィッシュ・ソング
04. カウボーイとインディアン
05. QUIT
06. アモール・バッファー
07. 夢みる機械
08. テクノの娘
09. FGG
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全曲視聴できます。
平沢進氏、36歳頃に制作されたアルバム。
2008年5月5日(月)初視聴。私にとって6枚目のソロ・アルバム。
ジャケットからして不思議アルバムだった(^_^;
そういう心構えをせよー!というコトだったのか!と思ってしまった程に混乱した1巡目。混乱したのは、もちろん私(苦笑
初っぱな、イベント開始のような叫び声に呆気にとられた01「世界タービン」。飛び跳ねる音階と歌詞の放りに圧倒されるものの、多少騒々しさは感じるけれど、以上に晴れやかに、にこやかに、楽しげな勢いに思わず顔が笑ってしまった。
続いての02「ロケット」もまた、可愛らしげなリズム。南米ちっくなステップと繰り返されるタイトルに勢いが持続している。
03「フィッシュ・ソング」に後年の壮大さの面影があるかなと思えたのも束の間、メロウなリズムに惑わされる(「ナーシサス次元から来た人」、いや「フローズン・ビーチ」を思い出した)。揺れるラインと、微妙にずれるようなドラム。流れる声は捉えどころがなく、けれど声の伸びが美しい。
一転する04「カウボーイとインディアン」はタイトルそのままに西部劇。サビのためにあるような全体で、笑い声のような弓弦音の入りが面白い。女性コーラスがちょっと刺々しく聴こえてしまって、うーん、私的にはなくても……イヤイヤ(笑)
そして05「QUIT」は先日聴いた「PHONON2550 LIVE」が初視聴になるのでどうしても比較してしまった。詳しくは個別レビューで言及するにしても……曲終盤に入る笑い声の嵐が怖すぎる! 暗黒笑いだよー!(>_<)遠ざかる確かな「ハルディン・ホテル」。
そして06「アモール・バッファー」も不可思議を踏襲したインストゥルメンタル。何かを落とすようなオープニング、実際に咳きこむ声に断ち切られては振り捨てるように甦る再びのサウンド。どちらかと言えば乱暴な出で立ちに、最初と打って変わって呆気にとられ、続く07でその感は増幅した。
07「夢みる機械」は歌謡というよりも朗読のよう。音楽舞台劇を聞いているような、物語的なものが生まれかけては壊されるような、旋律。
その感触では08「テクノの娘」も同様で、短く繰り返される弓弦音が不安定さを醸す中に言葉が投げ出されて平らかに漂う。
それまでの曲調からいって身構えた09「FGG」は、意外や意外に静かに流れた。民族歌のように、鳥のさえずりをまとった姿は「魂のふる里」に近い。それまでの不協和音的世界がすべてなかったかのように、ゆるやか。……なんだったんだ、いったい(=_=;
耳に残ったのは「ロケット」「世界タービン」くらいかな。どうしても、後半に続く曲に心が持って行かれて不思議アルバムとしか思えない(笑) 奇抜、という言葉が相応しい。
01から04までは勢いのままに走り、そして満を持して猛然とダッシュをかけた05以降。
直前アルバム「時空の水」が割とまとまった、聴き易い組み合わせだったことを思えば、度肝を抜かれる構成だ。「時空の水」に入れることができなかった変則的な物を、びろーんと詰め込んだ感じ。びろーんって何だよー(=_=) 開けっ広げに、思う存分詰め込んだ?
聴く人の理解は求めてない、こんなものもある!と激しく提示されている気分。私がまだP-MODELをほぼ聴いていないが故にそう思うのだと、思う。
それが不快だとか愉快だとか、そういうことじゃない。嫌いとか好きとかでもない。驚いているのだよ、端的に言えば。ただ呆気にとられる一日目であって、なんだか癖になりそうな変則曲ばかりとも言える。
但し、これが単なる贔屓耳なのかどうかは
[2008/5/18追記 癖になりました…(^_^ ]
さて、次は「ヴァーチュアル・ラビット」を開けるつもり。
でもなんだか不安になった来たナー(=_=
CD帯の惹句が<コンピュータ・エイジのカリスマ、ヴァーチュアル(仮想)宇宙へ超アクセス!> ……不安だ(^_^ゞ
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2008.04.20 (Sun)
「AURORA」(1994) 平沢進氏、4枚目のソロアルバム
曲目リスト
01. 石の庭
02. LOVE SONG
03. オーロラ
04. 力の唄
05. 舵をとれ
06. スノーブラインド
07. 風の分身
08. 広場で
09. トビラ島(パラネシアン・サークル)
10. 呼んでるベル
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全曲視聴できます。
平沢進氏、40歳頃に制作されたアルバム。
2008年4月20日(日)初視聴。私にとって5枚目のソロ・アルバム。
全体的に「懐かしさ」を「呼び覚ます」じっくり聞かせる歌が続く。「オーロラ」「舵をとれ」のような速いテンポの曲はあるけど、その方が異分子的。ああ、だから固まった構成になっているのか。成る程。
それぞれ別個の世界観を持つ01「石の庭」、02「LOVE SONG」に続いて、03「オーロラ」が印象で言えばやや唐突に始まる。現時点で馴染みの曲調にちょっと安心する(笑)なんとなく、これがアルバムタイトルなのに納得する、かな? 静かな色、力強さの色。地味とさえ思える色遣いの中で華やかな色彩を放っているような気がした。
朗々と力強く歌いあげる04「力の唄」、荒々しく勇ましい05「舵をとれ」に感じた異分子感を乗り越え、再び始まるスローな世界観。
09「トビラ島(パラネシアン・サークル)」については……ひとこと表現が難しい。まどろむように始まり、暴れて終わる。とゆーか、よくこれがカラオケに入ってるな〜。歌詞率の低い13分の曲(笑
そして最後、終幕をゆるやかに告げる10「呼んでるベル」。そうか「現実に戻れ〜」と促してるのか!(^_^
曲の加工程度が高く、まるでハープ(竪琴)のような爪弾き音が多用されている。声の加工程度も高い。アルバムに必ず一曲は用意されるスローテンポのバラードを集めた感じで、それなのに、それだからか、不自然にばらけた印象がある。「ザ・バラード」。一曲一曲、あまりに独立した雰囲気がその感触の元だろう。
特に耳に残ったのは「力の唄」「広場で」「スノーブラインド」「風の分身」「オーロラ」「舵をとれ」……って、ほとんどじゃん(笑)特にじゃないよ!
民族歌のにおいのする「力の唄」「舵をとれ」「風の分身」「トビラ島」。もしかしたら次のアルバム「Sim City」への布石だったのかも知れない。と言ってみたりして(笑
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2008.04.04 (Fri)
「時空の水」 (1989) 平沢進氏、1枚目のソロアルバム
曲目リスト
01. ハルディン・ホテル
02. 魂のふる里
03. コヨーテ
04. ソーラ・レイ
05. 仕事場はタブー
06. デューン
07. フローズン・ビーチ
08. 時空の水
09. スケルトン・コースト公園
10. 金星
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全曲視聴できます。
平沢進氏、35歳頃に制作されたアルバム。
2008年4月8日(金)初視聴。私にとって4枚目のソロ・アルバム。
比較的最近のアルバムばかりを聴いての、まず第一弾ソロ。「あれ?」と思ったのは私のアルバムを選ぶ順番が間違っている(笑
全体的に静かな曲が揃っている気がする。テンポの早い曲もない訳ではないが、後期を思えばそうでもない。「ハルディン・ホテル」「ソーラ・レイ」は、動画サイト、本人のMP3配信で別アレンジを聴いているから、余計にその感が強いのだろうか。例えば音リズムについても、そんなに加工してない気もする。ドラムが強い? わからない也、素人は(苦笑
曲も詞も、突き抜けた観はなく落ち着いてる気がする。P-MODEL(結構普通のポップスに聞こえる。今のところ)をぽろぽろ聴いているけど、どちらかといえばその色が近い? ちゃんとPも聴いてない癖に!(笑
全体的を通して聴いたイメージは「初々しいなあ」(オイ) これは最後の「金星」のかわいらしさによるのだろうか(笑
二巡目になって、いろんな曲パターンを含んでいる、範囲が広い、と思った。探りながらの曲目だったのだろうか。視聴済の「白虎野」「救済の技法」「Sim City」の確信的な激しさはないように思うが、革新的な意気はあろうかと思う。なんちゃって(笑)ちょっとコトバ遊び。
って、今まで都合4枚で一番語ってるよ私!(^_^ゞ
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2008.03.25 (Tue)
「Sim City」(1995) 平沢進氏、5枚目のソロアルバム
曲目リスト
01. リコール
02. アーキタイプ・エンジン
03. ロータス
04. キングダム
05. エコーズ
06. シム・シティ
07. 月の影
08. 環太平洋擬装網
09. コロニー
10. キャラヴァン
11. プロローグ
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全曲視聴できます。
平沢進氏、41歳頃に制作されたアルバム。
2008年3月25日(日)初視聴。私にとって3枚目のソロ・アルバム。
覚書メモ
購入3枚目。本屋に寄った時にふらりと立ち寄った、隣のタワレコで発見。「売ってるのかな?」と思って見に行ったら売ってて驚いた(苦笑)「なんだ普通に変えるんだ」←失礼。イヤ、だって直販売のイメージがその時にはあったから(汗 アマゾンくらいしか買えないと思ってたのよう。
とまれ、他に並んでたのは「白虎野」「BLUE LIMBO」「Solar Ray」。その中から選んだのは、一番発売が古そうだったから。買うつもりは全然なかったんだけどなー(^_^)金銭的に(苦笑
その時にはまだ、先の「白虎野」「救済の技法」がヘビーローテーション。新曲を聴きたい心もあったけど、2枚をもっと聴きたい心がより強かった。
最初聴いたのは購入2週間後くらい。流して聴いていた時の印象は、あまり強くなかった。「ロータスだ〜」と思ったのと、後は2枚とは少し違った感触がすると思ったこと。繰り返す言葉が耳に残ったこと。
しかしそこは何度も繰り返し聴く内に1曲1曲が飛ばせなくなる。曲組は割と変調、静かな曲の後に破裂するような勢いの曲が続くこともあって揺れ揺れ。最初と最後にはタイ語(?)の姉さんが語るのを聞くと、これは1枚で閉じているのかもしれない。と思った。
[2008/05/7追記
最近になって、だんだんアルバム感想文の書き方がわかってきました(^_^
よって、各曲別の感想を書いたら、全体加筆し直そうと思います。
だって、これは私の状況しか書いてないし(=_=
いや、いつになることか(苦笑 ]
2008.03.23 (Sun)
「白虎野」(2006) 平沢進氏、10枚目のソロアルバム
曲目リスト
01.時間の西方
02.白虎野
03.生まれなかった都市
04.記憶から来た男
05.水脈
06.CODE-COSTARICA
07.Σ星のシダ
08.確率の丘
09.白虎
10.パレード
平沢進氏、52歳頃に制作されたアルバム。
2008年2月中旬、初視聴。私にとって1枚目のソロ・アルバム。
覚書メモ
購入1枚目。完全に「パレード」目当て。だってこれで知ったから。
最初は「パレード」ばかり聴いていたけど、だんだん「CODE-COSTARICA」「時間の西方」がリピート率が高くなり、むしろ「パレード」が下がる(笑)。その頃には全体を通しで聴かなきゃもったいないと思うように! 結局、全曲好きなんだよね(^_^
[2008/05/7追記
最近になって、だんだんアルバム感想文の書き方がわかってきました(^_^
よって機会のある時に、全体加筆し直そうと思ってます。
だって、これは私の状況しか書いてないし(=_=
アルバム「白虎野」自体がライブストーリーを前提に制作されたようなので、各曲別個に明確な役割を担っているだろうことは想像に難くない。
んが。
とりあえず、曲印象の感想を先に記述したいので、終わってからDVDでの曲を見ます。
……ってことは、レビュー終わらないとDVDが見れない! がーん(>_<
ま、まあ、ぼちぼちと〜。]
2008.03.16 (Sun)
「救済の技法」 (1998) 平沢進氏、7枚目のソロアルバム
曲目リスト
01. TOWN-0 PHASE-5
02. MOON TIME
03. 庭師KING
04. GHOST BRIDGE
05. ナーシサス次元から来た人
06. 万象の奇夜
07. MOTHER
08. 橋大工
09. 救済の技法
10. WORLD CELL
平沢進氏、44歳頃に制作されたアルバム。
2008年3月5日(火)初視聴。私にとって2枚目のソロ・アルバム。
覚書メモ
購入2枚目。順不同なのは、カラオケに入ってる曲が多かったから(笑
出掛けて夜中帰宅。1曲目のみを、まず視聴して泣きそうになる(なんでじゃ
翌日の帰宅車中でも同様の現象が見られたため、視聴停止。
帰宅後にしっかり視聴。
[2008/05/7追記
最近になって、だんだんアルバム感想文の書き方がわかってきました(^_^
よって機会のある時に、全体加筆し直そうと思ってます。
だって、これは私の状況しか書いてないし(=_=
いや、いつになることか(苦笑 ]
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小心者は私も同じです(笑)なかなか御挨拶もままならず…。挨拶すらしていいものやらと、無用にどきどき(苦笑
「ゴンゾウ」は脇を固めるキャストだけでも外れ谷野