2008.08.09 (Sat)

「ICE-9」(2005) 平沢進氏、ギター・アルバム



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左カラム「ダウンロード」→「MP3無料ダウンロード」より、「01. ユーラシア21℃」free! MP3

曲目リスト
 01. ユーラシア21℃
 02. 廃墟の水溜り
 03. 肺いっぱいの金属
 04. Nice Nice Very Nice
 05. カプセルを開けますか?

平沢進氏、51歳頃に制作されたアルバム。
2008年8月3日(日)初視聴。

'83年の誕生以来、平沢のトレードマークとなったアルミ合金製ギターTALBO。
2005年、新たにカスタムメイドのTALBO"ICE-9"導入をきっかけに製作された最初で最後の平沢流ギター・アルバム。


以上、公式より引用。
 当然ながら、様々なギターの音色が絡み合った世界。歌なし、コーラスありのインストゥルメンタル集。よって、印象感がいつもより強力(断言)しかも長いよ! まー、いいか(苦笑


「01. ユーラシア21℃」
「賢者のプロペラ」と地続きのような唱和する声が響き、ほろほろと爪弾く音の、徐徐沸き上がる静かの世界。るらるらるーらと揺らめくギターを主軸、錆びついたような重い音がゆうたりと広がる。主軸の静けさを違えることなくギターを添えて昇った音が静まり、その穴を埋めるように高音のコーラスが遠くから伸びてやって来る束の間。鍾乳洞の中を、暗闇と白い石灰岩を、ゆっくりと照らしながら進む光と、きらめき浮かび上がる水面のような。
 ちなみに、亜種音TV Vol.6 「ICE-9 #1」は、この曲を弾いている光景を撮影し、エフェクト処理を加えたもの。というかDVD「反射の集いは氷の9」の一場面?


「02. 廃墟の水溜り」
 鳥の声。軽やかに、光のように、きらめく主軸の可愛らしさ。沿う3種の音階違うギターと、やがて入るざりざりっと楽しげに踊るような爪弾き。森の声はコミカルに息を吐いて、梢を渡る。誰もいない場所、朽ちた場所。そこに森はあって、森は踊る。森の沸き声のようなコーラスを下敷きに、再び踊る軽やかさ。互いに礼をして、輪になって、森の中で。…なんともメルヘンな連想を呼ばれてしまった。


「03.肺いっぱいの金属」
 悲しげな響きと、まるでソナーのようなピンカ音。かかる高音コーラスは何かを語り、形にならない言葉を補うような震えるギター。やがての長く伸びるギターは、先住の流れに組みできずに並列に、ひとり揺らめき踊るよう。シンセリズムの侵入がスピードの気配をもたらして、両者の間に橋を造る。再びのギターは伸びて消え、変わらぬ戻った機械の世界は、あっさりと途絶えた。全体に響くピンカ音とシンセリズムが、SF的未来な感触を呼ぶ。


「04.Nice Nice Very Nice」
 水音、海岸線、何か投げ出される音。軽やかに入る2種のギター、意気揚々のコーラス。声に続くように奇妙に波打って始まるギターは、揺れて揺れてソナー音を伴う。弾く短音は波間を漂い、そして一際の波音を待ちかまえて入る、どんと重いリズムと手拍子。歪み、揺らめくギターの音が晴れやかに伸びて、飛行機が曲芸に飛ぶように。波音と、歌う声と、ぐらぐらと翼を揺らして、回転して上昇して、自由自在に飛んでいってしまう。後には海岸線だけが残されて。


「05.カプセルを開けますか?」
 まどろむ繰り返しに、沸き続け、断ちきられ続ける軋むような響き。か細い旋律をまとう電子音めいたギターは悲しげで、推移する先に揺らめく、あまりに語るギターの音は泣きそうになる。入りこむ女性コーラスもまた、何かを語りかけて去っていく。封じられた世界。閉じられた世界。秘められた悲劇の外周を、瞑目しながら撫でるような。あの揺らめき、めくるめく音。



 1曲7分程度の長い曲、歌詞なしなので、若干どうだろう、という気分が最初あった。
 けれど聴き始めてしまえば、やはり旋律は語りだして楽しい。曲目ごとに、かなり雰囲気が違っている。機械的で、軽やかで、重くて、楽しげで、悲しげで、切なくて、晴れやかで、語って、嘆いて、ギターの音って面白い。
 特に好きなのは物語的に読み取った05。あの揺らめきを初めて聴いた時に涙がちょっと出そうになるって、どうなのさ(笑)歌詞がない分、余計に私自身のロマンチカが刺激されるようでビミョーな感じ。恥ずかち〜(^_^)泣かされてどーする(苦笑

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2008.06.26 (Thu)

「Tetragrammaton(テトラグラマトン)」(2008) Susumu Hirasawa+InhVmaN



曲目
 01.Pan Daimon Aeon
 02.Tetragrammaton
 03.No Mourn…

平沢進氏、54歳頃のマキシシングル。
イタリアで「InhVmaN」を主催するRiccardo Brett(リッカルド・ブレット)氏との共作。
2008年6月25日(水)初視聴。


「01.Pan Daimon Aeon」
 波打つ音に高音のギターが沿う。遥かに高音のフレーズを一声残し、しゃがれた声が語り出す。宣言するように、怒りをこめるように、絶望を囁くように。力を得るメロディに、声はいよいよ苦しげに嗄れて叫ぶ。語り出すのは悲劇か惨劇か。在りし日を思うように生まれ消えるギターを覆い、波打つメロディに負けじと尚も語る嗄れた声。


「02.Tetragrammaton」
 ぶおぶお跳ねる音が支配し、メロディは急くように。苦しげな声は泡立つように埋もれ聞こえる。断末魔のような叫びを覆って隠すギターとパイプオルガン、太鼓の響き。泡立つ中を浸透するようにうっすらと入りこむ高音の効果コーラス。かかるオルガンの調べは奇妙に断ち切られる。


「03.No Mourn…」
 どこか広大な建物で耳を澄ませるよう。かすかに響く高音のコーラス、聞こえる金属的な響きは何かを打ち壊す音か、巨神の足音か。呟き繰り返す声は、唱和される祈りの声のように。地の底から湧く音階を知らず乗らず声は呪わしく呪わしく、うめく声は尚も語る。果てに響くは別の祈り。その声を聞くことなく、ぶつぶつと泡立つ声は言い募る。



 ボーカルのダーク・ヴォイスは、確かにダークに地を這って、むしろ地の底に棲まう者が苦しげに暴れているようだ。
 あまりに声はしゃがれて、歌うというよりも語り、語りというよりも叫び。メロディと沿えば、気を抜いてしまえば埋もれていくほどに音源化している。その語りを生かすように、絡まり合う音楽バランス。
 試みに機械翻訳してみた歌詞も、かなりの暗黒。宇宙を語り、神を語り、罰を語る。
 それでも英語歌詞のせいもあり、まるでサウンドトラックやインストルメンタルのようにも聞こえる。
 映画やゲームのサントラに入っていたら、対決に向かうシーンとかに合う感じ。悲壮の覚悟と、感情の高まり。悪魔的な何かとの闘争、または儀式。
 特に耳に残ったのは表題作「02.Tetragrammaton」のたららと響く主旋律と、だらららと叩く太鼓。勇壮で格好いい。ボーカルが入ると、たちまち地底の領分(笑)になるんだけれど、それも中途あたりは相まった一体感がある。
 なんつーか、全体的に悪魔召還ソング(^_^ゞ
 デス・メタルって、こーゆーのを言うのんか〜。
  

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2008.04.27 (Sun)

「PHONON2550 LIVE」(2007)平沢進氏、ライブアルバム レビュー

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曲目リスト
 01.嵐の海
 02.帆船108
 03.サイボーグ
 04.時間の西方
 05.白虎野の娘
 06.ルベド(赤化)
 07.死のない男
 08.ナーシサス次元から来た人
 09.生まれなかった都市
 11.万象の奇夜
 12.救済の技法
 13.ハルディン・ホテル
 14.Town-0 Phase-5
 15.QUIT

平沢進氏53歳頃、2007年3月3日、4日、恵比寿リキッドルーム収録。
2008年4月27日(日)初視聴。

 やっとのことで聴けた、平沢進氏のライブCD。あえて曲目も以前にぱっと見ただけで、つまり覚えてない状態で聴いてみた(笑
 各曲目についての細かいレビューは、アルバムレビューの際にしようかと。今は印象だけをぼちぼちと〜。


 * * *


 最初に聞こえたのは歓声「ヒラサワ!」始まる音、聞こえる響き。
 突如に爆発するような陽気さの楽曲の中を漂う声。知らない曲だからいつもに増してリスニングは困難だ。歌詞カードもあえて見ないためにただ、声を聴く。なんか陽気な歌だな〜という1曲目。
 2曲目も知らない曲。でも陽気。うん、陽気。漏れ聞こえる単語から海、船?と思って「帆船」何とかって曲があったなー(何とかって、失礼な)。歌詞単語が可愛らしい気がする。基本の高音に入る、コーラスが可愛いのだ。そしてファルセットで歌う部分も。そうか曲自体が全体、可愛いんだ!
 3曲目も知らない曲、ほぼ知らないからしょうがない(笑)っていきなりかなりアップテンポ。合間に歓声。繰り返される音がキレイ。【歌詞に吹き出した2巡目。吹き矢は危険! あー、なんか発想が出てきそう(笑)】シンバルとテルミン?ぽい音が響く。外国語のお姉さん歌声、こういう時、板上では何をしているんだろう? とゆーか、お姉さんがそこで歌ってるの?
 ぷちっと切れて4曲目、やっと知ってる曲が出る「時間の西方」だ。前奏の音がCDで聴いてると変わらない。若干どきどきして声を待つ。うん、やっぱりちょっと違う。当然だけどアクセントの入れ方とか、揺れ加減、と思ったら、あれ? 同じになった。
 続いて5曲目「白虎野の娘」の方。こっちは最初から記憶と一緒。高音の抜け方とか。
 6曲目、いきなり高音が飛び抜ける。しかし良く伸びる、伸びていく声だなあ。しかも伸びる声が濁ってない気がするのは私の贔屓耳? 合わさるコーラスと相まって伸びていく色を語る声。うわー、綺麗だなー。
 7曲目の高音のイントロはちょっとアジアンに緊張感を孕む、と思いきやエスニックに、いや、なんだ? 揺れに揺れて祭囃子のよう、と思ったらそれもひらひらと揺れる。なんだこのイントロ! そして連なる歌声はその印象を裏切らない。なにこの曲。なにこの多重世界。崩壊しそうなバランスの音なのに、ずっと聴きたいバランス。終わったのが惜しいように突き放す音。
 8曲目は「ナーシサス次元から来た人」。あ、音が頭の周囲を回るのはCDと同じだー。とゆーことは、あの超高音もなんだろうか!? 同じだった。少しエコーが強いのと、若干聞き取りやすい。「ナーシサス」は旋律と、リズムが本当に綺麗だなー。
 9曲目は「生まれなかった都市」。おお、これはさっきと反対。まったくCDと同じと思って聴いて、アクセントの違いにはっとした。やっぱりライブなんだなあと再認識(笑)言葉の放った後の息。
 10曲目「万象の奇夜」。これもCDと(略!)しかしここまでぶっ通しなんだけど、これはCD化だから? どうもMCないみたいだから、ライブでもそうなのかな? あ、でも2日間のミックスだから、うーん、どうなってるんだ?
 11曲目「救済の技法」これはCDより声が前面に出ている感じ。でもほぼ一緒だな、ホントに。ああ!サビ部分が効果に埋もれがちなのが惜しい。
 12曲目、ピアノ曲のイントロに沸く観客。なになに〜? なんか牧歌的なんですけど。始まったドラム旋律は、このリズムは、もしやと思えば「ハルディン・ホテル」だ!とちょっと嬉しかったりする、今現在。なんで、今の私まで?(笑) <トルヒーヨのハルディン>って歌詞のところ、もしかして皆が言ってる? 問いかけが生々しい(笑)←生々しいって(笑
 13曲目「Town-0」間奏のぎゅいぎゅいギター、一人コーラスが楽しい。あ、巻き舌(笑
 14曲目は、何これ、おじさんの台詞と、どちらかと言えば平坦な音運び。響くコール、なのにむしろ主役扱いな、あのおじさん台詞は何、何なの〜! なれど最後の旋律が、コールにかかる旋律が、すごく勇壮で格好いいじゃん!

 歓声が遠ざかる。それでも耳を澄ませていたら、CDは終わっていた……。


 * * *


 実に半分が聴いたことのない曲だった。まあ、それ自体はどうでもいい。
 ここで関連するのは「CDで知ってる曲はどうしても比べてしまう」ということだ。そも、あまり生の歌声というのに私は信を置いていないのを3順目にして思い出した。紅白とかで生で歌う歌い手さんの声が震えるのを見たりすると「CDで聴く方が良いよな」と思ってたわけだ、半ば以上本気で。でも、それも3順目で思い出すくらいだから、これもどうでもいい。
 さて、曲名も確かめずに聴いた結果、今まで良く目にしていた「CDとほぼ同じ声は凄い」というコメントを実感した。CDと違って声が揺れる。ちょっと伸びが良い部分と、そうでない部分もある。生で、そこで歌ってたんだもん。それは仕方ないことで、でもそれは「だからどうした」という範疇のことだ。とてもとても綺麗な声だった、それだけ。
 ただ、なんか人間なんだなーと思った。変な感想だという自覚はある。人間じゃないと思っていたわけではないから、CDの揺らぎのない堂々たる声に慣れた耳と脳が瞬時そう思ったというだけのこと。「ああ、好きだな」と思ってるのが一般的な感想になるんだろう。
 実感した「CDとほぼ同じ声は凄い」が本当に凄いことなのか、そうでないのかは、私には判断が付かない。他のライブCDを聴いたことがないから、対比の対象がないのだ。でも、ちょっとすごいなとは思ってる。でも、思ってるだけで実は結構普通なのかもしれない。不確定。

 だから今できるのは……これを会場で聴いたらどうなんだろうと想像することだけ。だから私は想像する     うぎゃー! 行きたい!(*≧∀≦* 秋にライブ!? 行きたい! 行く!

 結局は、これである(^_^ゞ

 
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